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WPN Premium Tournament - LMC Championships 2012

LMC Championships

僕とマジックと岩出家

Written by Harunobu Takeda

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こんにちは。LMC Championships 2012 チャンピオンの武田浩信です。この規模の大きな大会では僕の歴史上初めての優勝で、いまは達成感と心地よい疲労感に満たされながらこの記事を書いています。決勝戦で応援してくれたみんな、ありがとう! 今回は僕が LMCC で優勝するのにとても大きな要素になった LMC のコミュニティ『岩出家』について、僕のマジックヒストリーに沿ってご紹介したと思います。

岩出家とは?

さて、『岩出家』というなんだか横浜系のこってりラーメン屋さんみたいなこの名称ですが、『いわいでけ』と読みます。『いわいでや』ではありません。これはコミュニティの中心人物にして僕ら若い連中の精神的支柱になっている岩出義隆さん(いわいでよしたか、通称:義さん)の苗字からそのまま取ったものです。何を隠そうこの名称を決めたのは他の誰でもなく僕なのですが、我ながら安直すぎますね。「もうちょっとひねれや」と言われてしまいそうなストレートさです。

『岩出家』の活動は他の LMC のコミュニティ同様、マジックをするほかにご飯を食べにいったり、カラオケにいったり、ボーリングにいったり、etc... と大学のサークルのようなことをやっています。要するに気が合う仲間でなんかワイワイやってるという、どこにでもあるコミュニティです。

発足というとおこがましいですが、できたきっかけはこれまた僕が LMC の Top 8 プロフィールに悪戯心で『岩出家』と書いたことでした。まーたお前か。この出来事の半年くらい前に義さんが千葉のマジックシーンに復帰していて、その時点で僕はすでに公私共どもとっても懇意にして頂いていました。

それがローウィン=アラーラ環境のスタンダードだったので、もう丸々 3 年のお付き合いになります。

義さんとの邂逅

ここで簡単に義さんについてご紹介します。義さんは古くはアライアンスの頃からマジックをしている白いデッキが好きなプレイヤーです。当時は 12 Knights やカウンターポストを使っていたそうです。

特に《神の怒り》が大好きで、使用するラスゴは日本語・英語・フランス語・ドイツ語とすべて違う言語で集めていたようです。ゾーン・ゴッデス(ドイツ語)ってなにそれかっこいい。

それからしばらくマジックから離れていましたが、コンフラックスの発売に合わせてマジックシーンに復帰。義さんと僕の初めての対戦は白単キスキン vs 青黒フェアリーでした。そのマッチは……


 「二度あることは……?」

 「三度あるー!」 ← 3 ターン連続 3 枚目の《霧縛りの徒党》をアップキープに出しながら。

Mistbind Clique
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で、僕の勝利に終わりました。今振り返ってみるとえげつない勝ち方してますね……。復帰直後にこんなことされたら僕なら全速力で逃げ出す自信があります。ですがそこは義さん、人ができています。笑顔で盤面を片付けて、このマッチアップのサイドボーディングを尋ねてきました。このリアクションは僕の記憶に鮮明に残っています。

振り返ってみると当時の僕はマジックを一緒にプレイする友達はたくさんいるものの、マジック友達との間に精神的な線引きをしながら過ごしていた様に思います。マジックをするためだけに会場へ行き、それが終われば帰るのが基本ルート。夜ご飯に誘われることも少なくありませんでしたし、そのたびに一緒にアフターを過ごしてはいましたが、周りにいるメンバーは同世代でも僕よりマジックがずっと上手な人間ばかりで、それが自分の中で一種のコンプレックスとなるまで歪み、真に友達として打ち解けることができていませんでした。勝利を渇望するあまりゲーム中もカリカリすることが多く、勝利以外にマジックに価値を見出せていなかったのです。

義さんに出会ったのはそんな時でした。

ですから、酷いワンサイドゲームで敗北したにも関わらず笑顔で対戦相手とコミュニケーションを取ろうとする義さんの姿勢は僕に大きな衝撃を与えました。この姿勢に感銘を受けて、マッチの後はサイドボードやゲームプランについて自分が知っていることを一生懸命説明したのを覚えています。

《霧縛りの徒党》がいるフェアリーには《流刑への道》を抜かず除去を増やすこと。相手が 4 マナ立てている状態での呪文については、《霧縛りの徒党》《謎めいた命令》ではどちらの方が今の手札では受けやすいか吟味して、第一メインフェイズか第二メインフェイズでキャストすること。《運命の大立者》のサイズアップをするタイミングはどこが最適かということ、etc...

とにかく夢中になって説明していた記憶があります。義さんは弱冠 20 歳の若造の至らない説明をちゃんと聞いてくれました。マジックが下手で勝てない自分が他の人間の役に立てている、それがなにより嬉しくて仕方ありませんでした。その場で連絡先の交換もしちゃうくらいです。

それからというもの、LMC で義さんと出会うたびに同じように繰り返しマジックをしました。居住地が比較的近いということもあって、マジックの無い日でも食事にいったり、買い物に行ったりと交流も深くなっていきました。悪戯心で書いたと上では書きましたが、その中には日ごろの感謝と尊敬が含まれていたことをここで付け加えておきます。

悪戯で書いた『岩出家』から始まる人の輪

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『岩出家』の名を使うことは義さんに快く了承され、義さんと僕を取り巻く友達の間で一種のキーワードとして広がっていきました。このキーワードの効果は思ったよりも大きく、互いに研鑽し尊敬しあえる仲間と呼べる友たちをマジックで見つけることができました。そのひとりが春日亮祐です。

彼は時代にあったトップメタのデッキを駆るトーナメント志向のプレイヤーで、歳も同じ居住地も近い。仲間であるとともに互いに刺激をし合えるライバルになるのに時間は掛かりませんでした。

人の輪は足利昌俊さん、渡辺竜二、諌山夕介、山内一史、勝俣航祐らを加えてさらに波及し、時には協調し時には意見を違えながらも過ごす日々は、かつての僕からは想像もできないほど充実したマジックライフを授けてくれました。此度の優勝の一因が彼らと重ねた濃厚な日々にあるのは疑いようがありません。

今回の LMC Campionships を振り返って

僕が LMCC に持ち込んだデッキはトリコロール・トラフトだったのですが、このデッキを構築するにあたって強烈にイメージしたデッキがありました。それは義さんとはじめて出会ったとき、僕が相棒としていたフェアリーです。《聖トラフトの霊》《苦花》のように絶対的な信頼ができる矛ですし、《瞬唱の魔道士》《呪文づまりのスプライト》よろしくアドバンテージを稼ぎます。《修復の天使》《霧縛りの徒党》のようにゲームのイニシアチブを握る力がありますし、《地下牢の霊》は現代の《誘惑蒔き》そのものです。土地の枚数やスペルの選択、マナカーブの曲線なども当時のフェアリーからフィードバックした部分が非常に大きいです。

今回の優勝で、マジックの真の面白さに気付かせてくれるきっかけをくれたカード達が、円熟を向かえたコミュニティの仲間たちに恩返しをするための力をくれました。この不思議な一致を僕は偶然とは思いたくありません。ですから、もう一度だけ言わせてください。義さん、そして岩出家のみんな、本当に本当にありがとう!

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番外編:至高と究極。岩出家の胃袋満たす二つの飲食店

ヤブンセンというタイの春雨サラダ♪(´ε` )

岩出家にはメンバーが足繁く通う二つの飲食店があります。ひとつは岩出家 LMC アフターのお食事処選挙当選率 8 割強(武田調べ)を誇る至高のタイ料理店「クヮリンターン」。

国道 51 号線を成田方面に下る途中にあるこのお店は、圧倒的な美味しさとそれに見合わぬプライス設定で我々岩出家メンバーの胃袋を魅了し続けています。ここの名物、フォーを使ったトムヤムクンラーメンは一度食べてみる価値アリです!

クヮリンの魔力はすさまじく、帰路とは正反対の LMC メンバーも「連れてってくれ! 帰りは佐倉駅(クァリンの最寄り駅)まで送っていってくれればいいから!!」と言ってくるほど。例としては渡辺竜二(千葉)、小松智史(稲毛)、萩原紀幸(稲毛)、有田さん(八幡)、田村さん(船橋)、西周さん(東京)、さらには山内一史や LMC 主催者のみやけんさんといった神奈川の住人までもがお越しになるほどです。

料理も魅力的ですが加えてクヮリンの大きな魅力はマジックをしていても OK なところ! いつも利用するテーブルでは料理が来る前と食べ終わったあとに誰からともなくデッキを取り出し対戦が始まります。今日のデッキを振り返って改造したりサイドプランを研究したりといったメンテナンスもここで行われています。20 時前に入ったのに閉店の 22 時過ぎまでマジックをすることもしばしば。いつもお世話になっています。

食べてみたい!という方は僕か義さんにお尋ねください。クヮリン直通便を手配いたしますよ。

もうひとつは究極の居酒屋「鳥丈」。義さんのホームタウン富里市にある焼き鳥と海鮮を扱う居酒屋です。鳥丈は豊富なバリエーションの美味しい焼き鳥と北海産の新鮮な魚料理を提供してくれる飲み屋さんで、岩出家で特別なイベントを行うときに利用します。

その中の代表的なものが「新しいスタンダードを考える会(通称:ASKK)」です。

これはスタンダードシーズンの節目、新セットの発売に合わせて開催される定例会で、平均 6~8 人の岩出家メンバーが自分の新しいデッキやアイデアを持ち寄り議論する場となっています。……なっていると言いたいんですが。みんな料理をバカスカ食べるしお酒もたくさん飲むのでマジックの話は全体の 2 割程度に留まっているというのがリアルなところです。

他の 8 割は義さんの専門分野である社会福祉の話だったり、最近の政治の話だったり、誰かのグチだったり、心神会が激震する話だったりと飲み屋らしい落ち着いた雰囲気のものが多いですね。

それでも数少ない 2 割の内容から抽出されるものは確かにあり、先日行われた ASKK では「《雷口のヘルカイト》は強い。無理をしてでもスペースを割くべきだ。」ということが再確認されました。よかったよかった。

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